東京ミッドタウンの向かい、スターバックスがあるビルの9階に、 六本木の大人を魅了する隠れ家的なシーシャバー『POTATORUM(ポタトルム)』がある。
オーナーのアツさんは、日本最大級のシーシャチェーン『NORTH VILLAGE』を創業し、2021年までゼネラルマネージャーとして日本のシーシャシーンを牽引してきた立役者だ。
北海道出身のアツさんは、美容師から社会人をスタートしつつ、バックパッカーとして世界中を旅する中で、沖縄にある旅人の聖地 『BEACH ROCK VILLAGE』 のプロジェクトに参画した。その後、上京して飲食店を経営するなど、多彩な経歴の持ち主だ。
現在は、シーシャプレイヤーの立場に舞い戻った傍らで、3児のパパでもある。
「これまでの経験を活かして、後世に遺せる自己表現の場を創りたい」という強い想いから、新店舗の立上げに踏み切ったという。
アツさん自身「コレクター気質なところがある」というように、店内にはこれまでに集めたシーシャボトルが整然と並び、メスカルのボトルは店舗を訪れる度に増え続けている。
趣味嗜好が細部に宿り、数多のストーリーに触れながら過ごす時間は、大人の知的好奇心を満たしてくれる。
店名の由来は、メスカルの原料として使われるアガベの品種の1つから付けられた。
『POTATORUM』という名前に込められた深みを是非体験して欲しい。
● テキーラとメスカルの世界へ
日本でテキーラといえば、いわゆる「罰ゲームドリンク」のイメージが強いが、 『POTATORUM』ではそのイメージが覆る。
メスカルとは、アガベを原料とするメキシコの蒸留酒の1つだ。元々はテキーラもメスカルの1つであった。
メスカルに魅了されたアツさんは、ワインのソムリエ的な資格である「テキーラ・マエストロ」と「メスカレロ」を取得している。
メスカルは、ボトルごとにストーリーを持つところが魅力だという。 生産量が圧倒的に少なく、ボトルごとに手書きでアルコール度数が書かれているものがあるほどのクラフトぶりだ。
日本では未だ馴染みの薄いメスカルだが、ここではその世界を探索することができる。
● 南米テイストの内装と上質な音楽が創り出す非日常空間
メキシコの「死者の日」をモチーフにした印象的な壁画と色使いがメスカルの故郷である南米を思わせる。また手触り感が残された暖かみのある装飾は、新鮮さと同時に落ち着きを与える不思議な空間だ。
「60年代〜70年代のブラックミュージックが好き」ということから、空間を彩る音にもこだわりが強い。
1982年〜1983年前期に製造され、当時のパーツが全て揃った「JBL 4344」のヴィンテージスピーカーが置かれ、
ターンテーブルにはアナログレコードプレイヤーがあり、レコードでブラックミュージックを聴くことができる。
ヴィンテージスピーカーとアナログレコードが奏でるこだわりのサウンドに包まれる空間は、タイムスリップしたような非日常感を創り上げている。
● シーシャが美味しいのは当たり前
『POTATORUM』は「シーシャ専門店」という括りでは、その魅力を語り切れない。
「シーシャが美味しいのは当たり前」というように、「シーシャ」に加えて「お酒」「空間」「音」そして「人」の5つの柱を設けているという。
シーシャはこれまでに数多のお客さんに提供し続けた経験から、磨きのかかった煙は言うまでもなく日本屈指だ。
上質な「シーシャ」と「お酒」「空間」「音楽」のストーリーを媒体として、アツさんの人間的な深みに触れる体験が『POTATORUM』の魅力である。
ここでは必ず何か面白い発見がある。
そんな大人の「POTATORUM(酒飲み)」たちのお店を是非体験して欲しい。