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東京シーシャ物語

3ヶ月でセカンドバージン!?深夜のシーシャ屋オトナトーク

シーシャと友達

実在の シーシャ 屋で実際に起きたことを題材にした短編フィクションストーリー

「もうセカンドバージンだよ〜。3ヶ月もご無沙汰だし」

 

「それでセカンドバージンなんだ!笑 3ヶ月じゃ復活するものも復活しなくない?笑」

 

「んー、でも…..

 


霜月ともなれば、さすがに寒い。つい先日まで半袖Tシャツで活動できた気温が嘘みたいに冷え込んだ。

 

分厚いコートでも羽織ればいいだろうという気持ちで外へ出た日の夕方から、自分の読みの甘さに後悔を隠せなかった。

 

かろうじて残っていた夏の残滓は完全に消え去り、街中には気が早いクリスマスツリーがちらほら現れ始めている。

 

しかも今夜は仕事が溜まって帰れそうにない。オフィスは21時で閉まるので近くのシーシャ屋で作業するしかない。

 

「深夜、寒いだろうな」

 

吐く息にいつの間にか白が混ざってきていた。

 


予想通り帰れない深夜。よせばいいのに新しく自分で仕事を作って自滅した。田町から渋谷に向かい、馴染みのシーシャ屋にパソコン抱えて避難した。

 

「あ、やっほーおつかれさま」

 

2人いた店員は両方とも顔なじみで、シェアハウスにでも帰ってきた気分になっていた。

 


カウンター横の階段を登って、木編みチェアーに腰かけてMacBookさらっとを取り出す。 午前1時。

 

ウイスキーで口を湿らせつつBeatsでいけてる音楽を大音量で流し、MacBookに爆速でテキストを打ち込み、リーガルフーカでうまい煙を量産しまくるわたしは、明らかに何かのゾーンに入り込んでいた。

 

全ての事象は解釈次第である。他の誰の同意を得られなくとも、「わたしはこの夜この世で最もいけてる男だった」そう確信していた。誰がなんと言おうとわたしが世界の主役だった。”It” Boyだった。

 

アメリカ大統領選の結果が流れてきた。ドナルドトランプというディズニートランプが大統領に決定したらしい。

 

あの真っ白い顔に浮かぶドヤ笑みがありありと思い浮かぶ。

 

「 だが残念だったな。今夜の“It” Boyはわたしだぜドナルドトランプ」

 

同じフロアには他に2組のお客さんがいた。モデル然とした女性と経営者然とした男性だった。

 

近くの席に座った異性と仲良くなるという”シーシャ屋あるある”が発生し、和気藹々と話していた。

 

朝方、初対面の男女とは思えない会話が漏れ聞こえてきた。

 

「そうい…ホリエモ…シーシャ好き…しいよ」

 

「…イケメ…精◯が欲し…」

 

敏感に深夜ワードを察知してヘッドホンを外す。

 

「あー、すると綺麗になるよね。相手イケメンじゃなくても」

 

ちなみに男子も肌ツヤが良くなるぞ。

 

「もうセカンドバージンだよ〜。3ヶ月もご無沙汰だし」

 

なん…だと!? 心の平静を一瞬で崩された。なんという暴論。

 

“It” Boyとしての陶酔感が雲散霧消した。なんということだ。世界一いけてる男がチェリーボーイになってしまった。

 

わたしのことはいい。しかし3ヶ月会社に缶詰になりクライアント先の業績改善のために懸命に働くプロフェッショナルたちすら、セ◯レ、彼女、妻の有無関係なく皆チェリーボーイに逆戻りしてしまうのか。

 

大変なことである。

 

男たるもの、セカンドチェリーになるくらいなら濡れて堕ちるブラックチェリーであれ。種を残し蘇る不死鳥であれ。

 

そんな親父ギャグはどうでもいいんだ。

 

重要な点は、3ヶ月の夜のブレイクは非常に重い意味を持つ。という突如提示された暴虐極まりない命題だ。

 

そしてその命題が、まさに人生を謳歌しているであろう平日の終電後の時間にシーシャを吸いに来るような女性の口から発せられたことである。

 

まさかこれがこの世のスタンダードな認識なのだろうか。

 

いやそんなことはない。確かに昼寝程度では済まされるものではない。しかしせいぜい冬眠の程度のことであってそれはーーー

 

「それでセカンドバージンなんだ!笑 3ヶ月じゃ復活するものも復活しなくない?」

 

救世主。心のどこかで安堵する私。しかし復活しかけた精神を崩壊に至らせるロンギヌスの槍が同じ口から放たれようとしていた。

 

「ま、わたし旦那いるけどさー、時にはってのも必要だよね。月に2回は。」

 

一体全体、時には”何が”月に”2回”必要なのだろうか

 

「30代が一番弾けてる。ほんと毎日楽しい。」

 

アラサー女子の屈託のない笑顔の前に反論は脆く崩れ去り、事象”It” Boyはチェリーボーイであることを受け入れた。

Author: Yuki Tokoi

シーシャ文化研究家、アータル創設者、空手道松濤流初段。水戸第一高等学校卒業後、上智大学法学部へ進学。丸の内の大手HR企業へ入社予定。在学中はwebサービスの立ち上げや地方創生、サードプレイスに係るハンズオン支援を行う。また、文部科学省主導による官民協働プロジェクトを利用し、産業界からの支援で1年間マレーシアに滞在。NASAやマレーシア政府機関、教育機関と協働して産業振興に係るプロジェクト創成に携わった。

 

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